フェルデンクライス・メソッドを 俳優さんにお勧めしたい理由
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フェルデンクライスのレッスンは、欧米では演劇の学校や大学、音大の正規の授業
としても行われています。
創始者モーシェ・フェルデンクライスは、演出家のピーター・ブルック、バイオリニストのユーディ・メニューインをはじめ、多くの世界的なアーティストと仕事をしていました。
ニュートラルな体の状態を作る |
俳優さんにとって、
余分な印象のない状態で、
そこに存在していられる、ということは、
とても大切なことだと思います。
普通にしているのに‥
『何か偉そうに見える』
『堅苦しく見える』
『陽気に見える』 とか。
『〜な感じに見える』 というのは、
それを意図しているのでないならば、
役柄によけいな印象を与えることになります。
そういう役柄しか演じられなくなるかもしれません。
個性は大切ですが、
『個性』 というのは、それとは別のものではないでしょうか。
自分の 一番ニュートラルな体の状態を作ること。
それは、たくさんの選択肢や可能性があり、
色々な役柄を演じられる白紙の状態です。
フェルデンクライスのレッスンは
体のクセや、使いすぎている力に気づき
骨格本来のニュートラルな状態に近づけていきます。
自分に対するイメージを広げる |
アメリカから来ていたトレーナーの先生のお話です。
(アメリカの大学で演劇・舞踊等の学課を指導)
ある女優さんが、自分のやりたい役をなかなかやらせてもらえないと悩んでいたそうです。
彼女がやりたかったのは娼婦の役でしたが、
彼女は、家庭のしつけによって、素晴らしく姿勢が良く、
どうしても、娼婦というより
女王さまにしか見えなかったそうです。
『姿勢が良いこと』 よりも、
『どんな姿勢でもできること』 の方が大切なのです。
良い姿勢しか出来ない人に、
娼婦を演じる自分をイメージできるでしょうか。
崩れた立ち方しかできない人に
女王を演じる自分をイメージできるでしょうか。
俳優にとって、自分が演じているところをイメージできない役柄をやるのは、難しいのではないですか?
逆に、イメージできる役柄は、たぶんできるのでしょう。
色々な体の使い方ができるということは、
セルフイメージにつながり、
演じられる役柄の幅につながります。
ただ良い姿勢、美しい立ち方や歩き方だけをマスターすることには、あまり意味がないですね。
フェルデンクライスは、
『良い姿勢、良い立ち方、良い動き方等をマスターする』
ものではありません。
1つのことができるようになるのではなく、
色々なことが自由にできるようになることがレッスンの目的です。
それは、色々な選択肢を持つことができるということです。
体からも感情が生まれる |
人間の基本的な感情(喜び、驚き、怒り、悲しみ、恐怖、嫌悪)には、
それぞれ特有の 『呼吸』 『表情』 『姿勢』 があるといわれます。
逆に、ある特定の 『呼吸』 『表情』 『姿勢』 をすることによって、
その感情を作り出すことができるそうです。
『姿勢』
つまり、体の動きが困難だと、
感情を表現することも難しくなります。
胸のあたりがやわらかく、しなやかに動くと、
よりやわらかく感情が生まれてくると私は感じるのですが‥、
どうでしょうか?
感情は自由な体から生まれるのです。
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